ツナサンド定食

考えていたことや読んだ本の感想、作ったもの書いたものの告知を書いていこうかなぁというブログ

Dance by the River前編(デジゲー博2024版)をプレイした ※たぶんネタバレあり

昨年11月のデジゲー博で買った『Dance by the River 前編』をプレイした

重要な役割を持って死亡退場しそうな興信所の女

同じタイトルのものをコミックマーケット103(C103)でも購入したが、どうやら仕切り直して全くの別物になっているとのことだった。

デジゲー博2024版のDLカード

C103で買ったDLカード

C103版が「体験版」で、今回プレイしたデジゲー博2024版が「前編」ということらしい

タイトル画面

C103版のタイトル画面(当時はMac版ビルドが入っていなかった模様)

デジゲー博2024版のタイトル画面

なるほど全く違う!

開発に従って軌道修正していくというのは本当によくあることであるし、変わっているということ自体を気にすることなく、納得のいくものを作ってほしいと思う。

C103版をやった時の様子

内容

郊外(たぶん足立区〜埼玉県の間ぐらい?)に住む主人公・手越一誠は24歳になっても定職に就かず、バンド活動にいそしむフリーター。常に金に困っており、バンド仲間から借金をしまくるパチンカス。

妹の田中背知(苗字が違う理由は語られない)と同居している。妹は19歳で、大学に進学できる学力がありながらサンドイッチ工場で働いていた。

背知は異様に兄に懐いているが、一方で本来折半している家賃の支払いができず妹に払わせてしまう。主人公は「自分が面倒を見るんだ!」という意気込みとは裏腹に、己の甲斐性のなさを気にしていた。

妹も経済的に余裕があるわけでもないのになぜ家賃の肩代わりができたのかと不信感を持った主人公は、なけなしの金を調達して興信所の女——伊能と接触する。

妹が男性とメールしていたり、新興宗教の教祖のような女と接触していることを突き止めるうちに、伊能が妹と母親の死亡記事を見つけてくる。

一体、自分と同居している背知は誰なのか、彼女が接触している男性や教祖、教祖が言う『催眠術』とは何なのか……

というお話のビジュアルノベル

映画「冷たい熱帯魚」やその元ネタになった事件のように、郊外の独特のバイブスをイメージしていそう。

審美眼を説く割にはEarth, Wind & FireとかJamiroquaiとかNirvanaみたいな誰でも知ってるバンドしか出てこないところに、マニアックにもなりきれず身を立てるほど打ち込んでもいない甲斐性のなさが見えるところが好き

いわゆる「信頼できない語り手」の主人公で、自分が妹だと思い込んでいるのは『催眠術』によりそう思わされたものであるとか、誰も信用できなくなっていく感じがやはり面白い。

内容は全く変わってしまっているけど、Steamストアページもあるのでウィッシュリストに登録しておいている。

store.steampowered.com

ここの言い回しすき

後編の妄想

前編ということで、後編はどんな感じの展開になるのかなという想像を働かせてしまう。

立ちはだかってその後仲間になりそうな予感がする女

これから『催眠術』を伝授するこの女、ないしそのバックにいる存在との対決があったり、主人公自ら『催眠術』を会得して黒幕と対峙する展開がありそうだなと期待できた。

今のところ主人公の男は甲斐性がなくて、そのことを本人も大変に気にしている。 ここから妹との思い出を出したり昔はどれほど妹思いの男であったかを示して、尻上がり的に読者への好感度を高める(クライマックスで好感度がMAXになる)ようにすると、この後の展開に入り込んで行けそう。

また、『催眠術』の会得には副作用があって、それは命を刈り取るような重篤なもの。 しかし妹がいかに大切であるかを示すエピソードがあり、また『約束』のようなものをしていて、それを果たすんだと一途な思いが勝つ。 副作用もいとわず主人公は「催眠術」を会得し、黒幕に打ち勝つ。しかし副作用は取り返しの付かない深刻なダメージを身体に与えていて……というビターズエンド。

「真っ当な会社員になるのは自分には無理だった」という描写があるけど、背知への思いを断ち切って真人間になる覚悟はあった、しかし副作用がそれを許さなかったという終わりだと切なくできそう。

と、私が書くならそうするかなぁと妄想していた。

ただそれだとプロローグとの整合性がとれないので、 語り手はそもそも本物の田中背知とは血縁でもなんでもなく、手越一誠と、本物の田中背知の兄とは別の人物。 「本物の田中背知の兄」の人格や性格を乗っ取って生きているとか、そのような展開がありそうだなと思った。