ツナサンド定食

読んだ本や映画のレビュー、近況報告、告知なんかで使おうかなあというブログ

「式の前日」(穂積さん著)を読みました

式の前日 (フラワーコミックス)

式の前日 (フラワーコミックス)

Amazonのレコメンドにあり、タイトルが気に入ったので購入。

 

新人漫画家さんの短編集だそうで。

 結婚式の前日の夫婦を描いた作品なのかなと安直に思っておりました(いやまあ、表題作は現に結婚式の前日を描いていたんですが)。

叙述トリックというか、オチにだまされる作品が多くて面白かったです。というより勉強になりました。

 

特に気に入っているのは、この2作かなあ。

 
 

「式の前日」

表題作。その名の通り結婚式を前日に控えた男女を描写した話です。

いや早速だまされましたw

ま、まあ漫画とか小説とか映画はオチを推測して当たった当たらないなんてひねくれた読み方なんてしませんしおすし(震え声

語り手は男性の方で、わざとらしく身構えるでもなく、日常のようなゆるいノリで女性と過ごします。

二人の関係性がラストで明かされ、そこで初めて、それまでに交わされた会話やモノローグなんかにちりばめられた伏線に気づくことができます。

 

あずさ2号で再会

オチにだまされたという点では「式の前日」と同じですが、読後感はこちらの方が好きだなあ。

7歳の女の子・あずさが主人公。一人で留守番をしている彼女の元に彼女のお父さんがやってきます。

ちゃらい風貌から「あずさの両親は離婚していて親権は母親にあるけどときどき父親がやってきて雑談するのか?」といった関係性を読み取りました。

しかしその父親が訪れたのには訳があって、あずさの方も素直に迎え入れている。どのような背景があって……? という話。

 

なんといっても、あずさのマセた口調や父親への態度、そして父親の優しさが良い。「式の前日」もそうでしたが、オチ以前にそうしたキャラクター同士の掛け合いでふっと笑えたり和んだりできないとダメだよなあ。感情移入できるようになっていることでオチの落差も生きるし。

 父親の現在の住所について等、こちらも随所に伏線がちりばめてあって、かつキャラクターのやりとりも魅力的でした。

 父親はその風貌からDQNかとばかり思ってたけど、あずさの母親が再婚するのかどうか心配したり娘の成長ぶりに驚いてたりとかわいい! そしてラストに出てくる笑顔がすっごくいい人そう!w

ごめんね、お父さんww

 

そして最後の一コマでタイトルの意味が明かされます。

日本のとある時期には一般的な風景ですが、なぜか実際に見たことは一度もありません。意外とやっている家は少ないのだろうか。。。

何巻だったか忘れたけど、「3月のライオン」でもその風景が描写されていたなあとなぜか思い出していました。

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

実際にやったことがなくよく意味もわかっていなかった僕ですが、「3月のライオン」での描写を思い出してはオチへの感嘆もひとしお。

 

閑話休題。

 

「式の前日」「あずさ2号で再会」ともに、始まりと終わりに共通するモノローグを入れているというのが印象的でしたね。

ラストでは冒頭でのモノローグに少しだけワードを加え、読者を驚かせると共に主人公の心情を印象づけています。

 

後で知ったのですがこの漫画、twitterなんかでやたらと評判が良いとのこと。
読後感とともに納得です。

 うーん、なんかネタバレをしないように書いていると、STVラジオでやってる「日高吾朗ショー」の書評コーナーを思い出す……w 

 

さて、次はそろそろ活字本の感想を書かないと。
忙しいとつい、すぐ読める 漫画ばかりに手を伸ばしてしまう。。。